山と料理と諸々と

山歩きや料理などの雑記ブログです

京都一周トレイルコンプリート企画 その一 伏見桃山から伏見稲荷大社、涌泉寺編



京都一周トレイルコンプリート企画。まずは東山南部をクリアすることにして、伏見桃山へと向かいました。

京都市中心部は、東西と北を山で囲まれた盆地になっています。よって夏は暑く、冬は底冷えで寒いというのが有名ですが、近年は温暖化の影響で、夏は死ぬほど暑く、冬は昔ほど寒くなく、底冷えもあまりしない、(これは昨今の住居の断熱進化も大きく関係しているかと思われますが)という状況になっていたりします。

そんな盆地である京都は、前記の通り南を除いて山に囲まれているため、都心部から少し行けば、すぐに山に入ることができるという、山歩き好きにはとてもありがたい環境になっており、小さな頃から遠足や家族の休日イベントなどで「登山」というのが結構あったせいもあってか、自分も山歩きが好きだったりします。

そんなこんなで、盆地のぐるりにある山を縦走する京都一周トレイルというコースを時に歩いたりしていたのですが、未だコンプリートはしておらず、ふと思いついて今年、全踏破を目指そうと考え、1月初旬、まずは東山南部ルートを攻めることにしました。

本来の京都一周トレイル東山の出発駅は、京阪伏見稲荷駅もしくはJR稲荷駅なのですが、行った日が1月5日という、伏見稲荷大社の初詣&インバウンドによる激混雑が容易に予想される時期だったため、足を伸ばして京都一周トレイルオリジナル地図にあった深草トレイルも回ることにして、伏見桃山駅へと向かいました。

駅を降りるとこちらもそこそこの人出。どうやら御香宮神社へ参拝する人達のようです。街中は早々に通り過ぎて、まずは伏見桃山城方面へ。城の近くには明治天皇陵があり、陵と城周りの運動公園なども含めて、古城山と呼ばれる山林と森が広がっていました。

かなり遠回りになるので明治天皇陵はパスして、なんか教科書で見たことあるなあと思った桓武天皇陵は見に行ってみました。後から調べてみると、平城京から長岡京、平安京へ遷都を行った天皇でした。それが教科書に載ってたんですね・・・。

いやしかし、宮内庁管理の施設は、どこもメッチャお金(税金)をかけて綺麗にされてるなあと感心しました。ちょっと皮肉入っておりますが・・・。


桓武天皇陵
メッチャ綺麗にしてありました



この後は、伏見桃山城へ。大昔は天守に登れたのですが、現在は耐震性の問題があって、立入禁止区画となっています。




伏見桃山城といえば、大昔、まだ真田広之が千葉真一設立のJAC(ジャパンアクションクラブ)所属だった時に、映画の撮影でこの天守の屋根から飛び降りたというのが思い出されるという、おっさんなのでした。(調べると、1980年公開の忍者武芸帖百地三太夫という映画でした)


こちらが大天守



左が小天守

なお、本当の天守は現在明治天皇陵のあるところ
(古城山山頂付近)に
建造されていたようです
もちろん今は立ち入ることはできません

ということでこちらの天守は
鉄筋コンクリート造の模擬天守です

1964年に近鉄により遊園地
「伏見桃山城キャッスルランド」が
建設された際に作られたものです

キャッスルランド、懐かしい~
そういうとあったわ~キャッスルランド



大天守近影
ちなみに真田広之は
天守真ん中あたりの屋根から
飛び降りたらしいです




そんな桃山城を過ぎ、運動公園の中を通って、大岩山へと入ろうとする手前にあった公園で、ササッと昼ご飯を食べたあと、いよいよ山の中へ。舗装道路ではありましたが、京都らしい竹林の中を歩き、それを過ぎてからはソーラーパネル群を横目に見ながら、山頂方向へ。ほどなく大岩山山頂に到着。ここには展望所がありました。



展望所から桃山城
京都南部、大阪方面を望む

画面左端遠くに見えるひときわ高い高層ビル
多分あべのハルカスかと・・・


展望所からは大岩神社へ。10年ほど前から宮司不在となったようで、台風などの被害により鳥居が倒れたりして、かなり寂れ、荒れ果てていますが、未だそれなりに掃除や管理はされている様子。無人の社務所的なところには猫が住み着いているらしく、誰かに餌をもらっているのか、こちらを確認するとニャーニャー言っていました。


無惨にも倒れてしまった鳥居



台風被害のようですが
一部石碑なども倒れており
なかなかの荒れっぷりでした







ただ、このように社などは綺麗に管理され
掃除もされておりました
奇特などなたかが定期的に
手を入れられているようです


神社からの下りは、完全な山道になり、細い薄暗めの道を下っていきます。暫く行くと、なにか見たことのない変わったデザインの鳥居?を発見しました。



急に現れた奇怪!?な鳥居??



薄暗さや苔むした感が
異界への入口感をメッチャ醸し出しています



奇怪スポット感がビンビンです
お好きな方には超おすすめできる
スポットといえます

ちょっとギリシャっぽい西洋風のデザイン。(※デザインが東南アジアっぽいという人もいますが、自分は鳥居の作りなどを含め、ギリシャの神殿を感じました)メッチャ謎です。赤いスタンダード鳥居と比べるとその異様さが際立ちます。ここがまた薄暗く、苔むした感じなので、さらに異界感が増してなんかありそうな気がしてきます。

後に調べてみたところ、京都出身の日本画家、堂本印象氏の寄贈した鳥居でした。氏とそのお母さんがこの神社の熱心な信者だったらしいです。堂本印象氏、日本画家でありながら、渡欧した際に西洋画の影響を多大に受け、後に抽象表現画なども描いたこともあってか、このようなデザインになったのではなかろうかと思った次第です。

さて、この鳥居を過ぎて、これまた薄暗い異界感あふれる池(沼?)を横切り、再び竹林を通って、深草の街中へと出ました。ここから今度は伏見稲荷大社方面を目指して歩きます。

地図を見ると稲荷大社正面からではなく、南側の山に登って、迂回できるような道があったので混雑を避けるためにそっちに行こうと思っていたのですが、結構適当に歩いていたら、あっという間にそのポイントを過ぎてしまっていたらしく、結局のところ稲荷駅前へ行ってしまうという失態を犯してしまいました。



適当に歩いている時に立ち寄った宝塔寺
ちなみにこの手前辺りから山へ登っていける道を進むのが
稲荷迂回ルートの正解だった様子です



稲荷駅手前

奥にアスファルト道路が見えなくなるレベルで
鬼のように人が群れをなしているのですが
そのほぼすべての人が
伏見稲荷大社に吸い込まれていきます



そしてこの人混み・・・


もうどうしようもないので、とりあえず伏見稲荷大社でトイレ休憩をして、こうなったらせっかくなんで久々に千本鳥居からでも登ってみるかと向かったところ、日本人・外国人入り乱れて、想定をはるかに超える大渋滞が巻き起こっていました。



まさに人だらけ
そして全然進みません
超大渋滞でした


これではいつまで経っても上に行けないということで、すぐさま離脱して、山地図アプリで別ルートを探し、そちらのあまり人がいない道をガスガス上がっていったところ、いい感じの竹林がありました。


人が全然いなくて一時癒やされました



渋滞がなければこんなところに
来ることはないので
そういう意味ではラッキーでした


ただ、残念ながらそれ以上の迂回路がなく、再び千本鳥居ルートに合流。そこそこ上まで来ていたので、最初ほどの混雑ではなく、そこそこのスピードでは歩けましたが、眺望の良いところなどではスタックタイムもあり、自分が目標とする四つ辻まで、人が途切れることはなく、結果、思ったより大幅に時間を費やすことになってしまいました。

いやしかし伏見稲荷大社、オーバーツーリズム爆発でした!伏見稲荷のインバウンド人気は、参拝無料ということもあって、もう数年前から凄まじいとは聞いていましたが、日本人の初詣期間とも相まって、大爆発の様相でした。人嫌いのおっさん、この渋滞でもうへとへとになりました。まあ、こんな日に行くのが悪いのですが・・・。

ただ、四つ辻からメイン道を少しでも外れると、そこはもう誰もいない低山の風景。



少しでもメイン道を離れると
もうだーれもいません・・・



神社関係者用らしい一般車は通行禁止の舗装された林道を下って、再び街中へと出てきました。

なおこの近辺、かなり山際ということもあり、道は細く、車通りもほとんどなく、なかなかに歩きやすいマニアックロードでした。こんなところにあったのかと驚く、昨今の甲子園の京都代表常連校「京都国際高校」や、守脩親王墓などの横を通りつつ、(このあたりもまた、近くに皇族との関連が深い泉涌寺があるがゆえに、皇族・天皇陵などがたくさんあります)泉涌寺に到着しました。



守脩親王墓・淑子内親王墓・朝彦親王墓






道を隔てて反対側にある
賀陽宮・久邇宮墓地

明治天皇陵からはじまり
陵墓がたくさんあります
ちなみにこの先にもたくさんあります




涌泉寺


この先、本コースでは今熊野観音寺から六条山方面へと向かうのですが、伏見稲荷でスタックしてすっかり夕方になってしまったこともあり、この日はここで終了することにしました。そこで、ここから京都駅まで歩いて、バスで家へと帰ったのでした。

伏見稲荷での大渋滞と人いきれ、そして13kmに渡る歩きで、へとへとになったおっさんなのでした。ただ、特に深草ルートはなかなかに見どころがあるコースでした。特に大岩神社・堂本印象鳥居・鬱蒼とした竹林という大岩神社参道コースは、大変マニアックで良かったです。

<今回のコース地図> 出典:国土地理院地図Vector 
  なお、国土地理院地図を加工して作成しており、ルートは赤い線で書いています。また、主な立ち寄りスポットは、青枠四角で囲っています。